亀田縞の復活
復活に込められた執念
亀田が織物の町であったことを知る人もほとんどいなくなった平成14年,亀田郷資料館に保存されていた亀田縞の布と見本帳が見つかったことから,産地に残った2軒の機屋によって亀田縞復活の取り組みが始まりました。
復活する布が目指したのは,亀田縞の持つ素朴であたたかい風合いと丈夫さの再現だけでなく,しなやかさを追求し,現代生活の中で使い続けてもらえる生地とすることでした。
風合いの再現
亀田縞の伝統の風合いを再現するには,糸そのものの特性はもとより,織り込み方や染色法,仕上げ工程まで徹底的に研究する必要がありました。
布を構成する糸一本一本の分析からはじまり,強さと質感を再現するための最適な素材の探求に加え,織り方や織り込む密度の徹底的な試験の繰り返し,伝統的な縞の特徴を再現する染色手法など,まさに執念ともいえる研究と試験を積み上げ,平成17年,亀田縞はついに伝統の素朴であたたかな風合いと,ながく使い続けることのできる丈夫さとしなやかさを兼ね備えた布として復活したのです。
新潟市江南区亀田地区の特産品となる
地域団体商標登録5661445号
亀田地区で生まれた伝統織物,亀田縞をたくさんの人に知ってもらい,日々の生活に使って欲しいという想いから,復活から4年間,国内はもとより海外展示会への積極的な出展が継続されました。
生産者のたゆまぬ努力により,布地の品質の高さと伝統の風合,多様で美しい縞柄が注目を集めるようになり,平成21年に厳しい審査を経て地域団体商標を取得し,新潟市江南区亀田地区の特産品となりました。
地域団体商標は,地域名と商品が一体をなし,地域産品として一定の知名度があり,その地域と密接に関連している商品として厳しい審査基準を満たしたことを示す商標です。
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